IETF 116 Yokohama に参加しました
はじめに
IETF 116 Yokohama に参加した。 私としてははじめての IETF 参加だった。 今後の参加者たちの参考にどういった体験だったのか記録として残しておきたい。¶
私は普段 Web フロントエンドの開発をしているため、プロトコル関連の実装をしている訳ではない。 なので IETF で議論されされている内容に関して専門家ではない。 趣味で少し HTTP/3 や QUIC を勉強している程度である。¶
そういった人物が行った場合にどうだったのかが記載されている。¶
TL;DR
- インターネットの最前線を見られたことに感動した
- ドラフトは読んだ方が楽しめる
- 読まなくても雰囲気は分かるが内容は分からない
- 未予習者には BoF がおすすめ
会議について
IETF の各会議では、トピックに沿ったドラフトについてディスカッションがされる。 新しいドラフトじゃないものについては、問題点が GitHub の issue 上で管理されていて、この issue の内容についてディスカッションをされることが多かった。¶
そのため、ドラフトを読んで issue も把握している前提でどんどん話が進む。¶
そんな私にも優しかったのは、リアルタイムに更新される Minutes と自動キャプションだった。 会議にはだいたい Note taker がいて、発言者と発言内容がメモされる。また、IETF のツールには自動キャプションツールがある。 これで本当に何も分からないという自体は防げた(それでも大体分からなかったが)。¶
Note taker の人たちには感謝してもしきれない。¶
マイクキュー
ディスカッションをするためには IETF のツールを使って喋りたいと手を挙げる必要がある。¶
自分はディスカッションすることがなくてこのマイクキューが空いているのをほとんど見たことがなかった(一部の本当に人がいないときにはあったけど)。¶
限られた時間内に途切れることのない議論が続く、そうやってインターネットが少しずつ良くなっていくんだ、これがインターネットの最前線かと感動したのだった。¶
BoF のすすめ
開催されている会議の中には Birds of a Feather (BoF) というラベルがついているものがある。¶
BoF の IETF の説明は下記だ。¶
Birds of a Feather sessions (BOFs) are initial discussions about a particular topic of interest to the IETF community. BOFs are usually held at IETF meetings, and requests to hold a BOF must be made significantly in advance of the meeting.¶
要するに一番初めに特定のトピックについてディスカッションする会議だ。この BoF が初心者にとっていいところは、どういう問題があって、なぜ解決したいのかなどの前提が説明される点だ。 その他の会議は前述したようにドラフトがあって、今までの改善があって、今の issue の取り組み状況が議論されることが多い。そのため、キャッチアップしていなければ理解が追いつかないことが多い。 その点、BoF は前提から話されるので予習ができていないような初心者でも、とりあえず議論を追うことができる(本当は予習をして、ディスカッションに参加するまでできれば良いのだが)。¶
反省点
今回の IETF で反省すべき点としては下記だ。¶
- ドラフトをしっかり読んでいくべきだった
- 参加者たちと話せなかった
1 については前述したように、ドラフトをもとに議論されるので、内容をしっかり理解しているかどうかで楽しさが全然違う。ドラフトを読むのにも基礎知識が必要なのだが、そこも含めてしっかり予習ができていると良かったと思った。 そしてこの 1 は 2 にも関連するのだが、ドラフトの内容を理解していると、参加者たちと話したり何ならドラフトのオーサーや凄腕エンジニアの人たちと話せただろうにと非常に後悔した。¶
おわりに
反省点や後悔はいくらでもあるが、総合的には IETF というイベントに参加してよかったと思った。¶
インターネットがどうやって前に進んでいるのか知ることができたので、非常に刺激を受け、これを機にもっとインターネットを知りたいと思った。¶
このような機会を作ってくださったホストの WIDE のみなさんに心から御礼を申し上げます。¶